Interview vol.10:斎藤統さんインタビュー

2012年記念すべき1つ目の記事は、こちらです!

 

 

先日、イッセイミヤケ・ヨーロッパ社 元社長でもあり、様々な経歴をお持ちの斎藤統さんにインタビューをさせて頂きました!

斎藤さんはとても気さくで、面白く、優しい素敵な方でした。

インタビューさせて頂く私も始めは華麗な経歴をお持ちの斎藤さんにとても緊張していたのですが、

楽しい会話にすぐに緊張がほぐれ、あっという間に時間がすぎてしまいました。

斎藤統さんをご存知の方は多いと思いますが、知らない方もいらっしゃると思いますのでまずは経歴を掲載させて頂きます。(ウィキペディア参照

 

 

—経歴−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

1980年、ヨウジヤマモト社の要請により同社のフランス支社であるYohji Europe(ヨウジ ヨーロッパ)社を設立し、

同ブランドのヨーロッパ・アメリカ進出を手掛ける。 ヨウジヤマモト社はこの海外進出の成功により「世界のヨウジ ヤマモト」としての地位を確固たるものとした。

以降15年間同社社長を務めた後、1997年にはイギリスのラグジュアリーブランド「JOSEPH(ジョセフ)」に

日本進出における総責任者として招聘され、JOSEPH Japon(ジョセフ・ジャポン)社社長に就任。

全国の百貨店を中心にブランドを展開し、近年のヨーロピアン・ラグジュアリーブランドブームの立役者となる。

2007年にはイッセイミヤケ社のフランス支社であるISSEY MIYAKE EUROPE(イッセイミヤケ・ヨーロッパ)社の招聘を受け、同社社長に就任。

またメンズプレタポルテのサロンを主催するCasabo(カサボ)社 社長などを歴任する一方で、日仏企業や学校との情報交換・提携推進に尽力し、

フランスIFM(Institut Francais de la Mode)及び日本IFI(Institute for the Fashion Industries)間の橋渡しを行い、研修制度の導入を実現。自ら講師も務める。

更に、フランスのアタッシェ・ド・プレス養成校であるエファップ(EFAP:’Ecole francais des attach’ es de presse)の日本校設立にも携わり、教育・文化事業も手掛ける。

その他にも、ファッション・ショールームの新スタイル創設とクリエイター・デザイナー達への支援を行うNo Season(ノーシーズン)社 社長、

日仏企業間のコンサルティングを行う Asian European Consulting Company の創設者かつ社長でもある。

ヨーロッパのファッション及び文化に対する多大な功績が認められ、2008年5月にフランス芸術文化勲章を授与される。

 

 

—インタビュー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

Q.1973年大学卒業後すぐにフランスに行ったのにはどのような目的があったのですか?

いろんな文化を見てみたかった。

言葉も文化も食べ物も違う国を知りたかったし、

若さゆえに勢いがあったからかもね(笑)

 

 

Qフランス語はどこで取得しましたか?

日本で勉強していったんだけどフランスに行ったら全然通じなかったから、

向こうに行って1からやり直したんだ。

やっぱり現地にいって友達をたくさん作るのが早いですよ。

試験を受けてリヨン大学に入学しました。

 

 

Q.海外に行った時、”住む”という選択ではなく”大学に行く”という選択をとったのは何故ですか?

友達を作るためかな。

その国の人と友達になりたくても住んでいるだけではなかなかなれないよね。

言語が通じるから、ついつい日本人は日本人同士で集まってしまう。

フランスに来ても、そうやって40年、50年と過ごしている人もいる。それはもったいない。

学生っていうのは年齢による分け隔てないので、楽しく交流できて、勉強できるところだからこそ、

ただフランスに”行く・住む”だけではなく、大学に通うことにしたんだよ。

 

Q.日本とフランスと大きく違う点はどこですか?

日本とフランスが大きく違うのは下の名前で呼び合うこと。

フランスに限らず海外はそうかもしれないね。

フランスで名前で呼ぶ癖がついてしまっていて、

日本に帰ってきてもみんなのこと下の名前で呼んでしまうんだよ。(笑)

日本では年上の人には’さん’とかつけるじゃない?そうやって、

年齢によって名前が変わってしまうのもおかしい気がする。

個人対個人の付き合いが大事なんじゃないかな。と僕は思うんだけどね。

 

あるブランドの日本の会社での話なんだけど、

僕は社長をしていて、スタッフのことみんなの名前を下で呼んでいたら、

年上の方から「日本では女性の名前を下ではあまり呼ばないよ。妻か愛人だけですよ。」と注意された。

僕はおかしいと思ったからスタッフにどう思うか質問をしたら、

みんな「全然気になりません!斎藤さんとの距離が近い気がします」という意見が大半だった。

「じゃぁ、みんな僕のことおさむって呼べばいいじゃん」と言ったらそれはできないって言うんだよ(笑)フランスではみんな、社長の名前も下の名前で言うんだよ。

 

僕は「社長」って呼ばれるのがすごく嫌いだった。

僕の名前は「社長」って名前じゃなくて「斎藤」って名前なんだよ。

「社長」ってタイトルでしょ?それで呼ぶのは失礼な気がするよ。日本では普通かもしれないけどね。

 

年齢なんて対して関係ないと思うよ。

年齢や肩書きではなく、「人としてその人を見ている。」それが大事だと思うんだ。

日本では、なかなか受け入れにくい文化なのかもしれない。

でも100歳も違うわけじゃないんだから、長い歴史から見たら対した事無いし、

男と女の差も全くないよね。生物的な問題ではあるけど。

最終的にはみんな人間。泣きたいときに泣くし、笑いたいときに笑う。

ってことは日本人もそうだし、外国人もそう。だから歳の差とかで区別されるのは違う気がする。

一緒にご飯を食べて、同じ目線にあえてたつわけでもなく素直に話して楽しめたら一番いいじゃない。

 

 

Q.日本の会社、フランスの会社は中身や制度はちがいますか?

違いますね。やっぱり日本は縦割りだからね。

日本の会社だと、下の人と上司とは交わりにくいよね。

僕はあまり上下関係を気にしないから、部下の子達とも仲よくしたいけど、

「社長」っていうイメージが強いとなかなか近寄りにくいみたいでね。

僕は年齢は気にしないけど、立場や年齢を考えて話しかけてこない子はいっぱいいたよ。

それはすごくもったいないよね。

 

 

Qでも日本の風潮がそうしているかもしれないですよね…

そうだね。それはどうしようもないよね。日本の文化だから。

ある学校で講演させてもらった後、学生さんのプレゼンテーションを見る機会があったんだ。

皆、必ず「僕の服は20代の方から30代の方のこういう女性を対象にしています」

など枠組みを決めてターゲットをしぼるんだけど、僕は「なんでこだわるの?」と思うんだよね。

その後先生に質問したら「その方が教えやすい」という答えが返ってきたんだ。

それはどうかな….?

 

洋服って何歳から何歳でもきていい自由なもの。

コスプレっぽい服だって50代の人がなんできちゃいけないの?って話だし、

サイズさえ合えば自分の好きな服装をすればいいと僕は思うんだ。

この服は何歳から何歳まで決めてしまうのおかしい。

食べ物には何歳制限はないでしょ?

ヨウジヤマモトさんの服だってね、若い方も着ると思うけど、おじちゃんだってよくきている。

年齢はすごく幅広いよ。気に入ってる人はずっと着てくれるんだよ。

それでいいと僕は思うし、洋服ってそうでなくちゃもったいないよね。

 

 

Qなるほど…。6月にESMODで講演をして頂いた鷲田さんや、海外で活躍されている北野武さんもよくヨウジヤマモトさんの服をきているそうですね。

「年齢ターゲットが違う気がして入りにくい店」はよく見かけます。実は見てみたかったりするけど勇気がでない時はあります。

そうなんだよね。

そういえば、先日百貨店で日本とフランスの大きな違いを発見したんだ。

僕は大学卒業後ずっとフランスで働いているので、日本の制度とかは知らないから不自然に感じたのかもしれないけど、

日本のフロアガイドには

「ヤングファッション」「ミセスファッション」「ハイセレクトファッション&ビューティー」「ハイセレクトカジュアル」などが表記されています。

それには区切りがあるのかな?何をもってミセスで何をもってヤングカジュアルなのか、

何をもってハイセレクトファッションなのかは僕にはわからない。

一回百貨店の人に「何故ですか?」と聞いたこともあるんだけど、

「昔からずっとそうなんです」って返答だった。

昔からずっと同じであることが決して必要なものとは限らない。そこを変えないと何も変わらない。

 

 

Qフランスの百貨店はどういった区切りで分けていますか?

あまり区切りはないよ。

あるとすれば、パリコレなどのブランドファッションと一般のファッションなどは分かれているくらいかな。

 

 

Q.日本では買う人に情報を与えすぎている。「枠を決めて買う人がより楽に買い物ができるよう枠組みを与える仕組み」を作っているような気もします。

1979年にジョセフというブランドの日本進出のとき、始めはパンツラインだけで、その後フルコレクションを始めたとき、

百貨店では「どのフロアにおくか」をとても議論になりました。僕は「どこでもいいじゃん!」って思ったんだけどね。

僕はよく言うことなんだけど、

 

「ひとつのコップがある。それは真正面から見たとき長方形だけど真上から見たときはまんまるだよね。

同じものでも「視点」を変えるだけで見え方は大きく変わってくる。自由に目線を変えることができる。」

 

 

Q.話を聞いている中で フランスでは自由である反面、それに付随する厳しさもあるような気がしました。

そうだね、基本的にフリーだよ。だからこそ自分をもってないとやっていけない。

それがアイデンティティの話になる。

フランスでは「何で生きてるの?」「何を目的にしてるの?」とか全てが直球なんだよ。

仕事をする時も僕はよく言うけど、

「自分はこれだったらまかしてくれ!」なのか「なんでもするからゆってください。私はなにやったらいいですか?」

とは大きな違いだよね。「自分がするならば、辛い思いしてもやりきりなさい。それは仕事のためじゃなくて、君のためになるから。

“どうしよう”って思うのなら23時間55分働けばいいじゃない。」

 

成功している人、社会的地位を確立している人に対して、『どうやったら成功するんですか?』という質問をしている人がまれにいるんだけど、

それは失礼だし、努力したからだよ。泥にまみれないと成功はできない。

できることを100%とするならば120%求められても受け入れなさい。

200%は無理しないほうがいい、でも120パーセントは努力で補える。

「こんなことひきうけちゃった」と思ったとしても、どうにか乗り越えられるんだよ。

僕もそんなことばっかりだったよ。

日本の社会は成功者に対してなどの「妬み」が多い。若くして成功した人はねたまれやすい。

「成功していいね、うらやましいね。」って、でも僕は「勉強したよ!努力したよ!」って思うんだよ。

 

 

Q.日本で「ブランドを立ち上げる」時、あまりプレスという役割を重用視されていないような気がします。プレスの仕事は日本ではあまり広がってないように感じますが、フランスではかなり重用視されていますか?

海外では政治でも1人1人にアタッシェ・ドゥ・プレスが必要とされているんだよ。

海外では相手に与える印象を変化させるため、

メイクの人に「こういうメイクをするとやらかくなる、きつくなる」とかの指示を出すのもアタッシェ・ドゥ・プレスなんだ。

映画1本に対しても1人、絶対にアタッシェ・ドゥ・プレスがいてるよ。

女優さん達がインタビューをうけるためのセッティングや仕込み、どの番組・雑誌にインタビューを受けるのが効果的なのかなど。

 

日本では、「いいものは広まる」と考えている人が多いけど、そうじゃない。

いいものを作っていても知りたい!広めたい!と思う人が増えなければ意味がないからね。

でもデザイナー・パタンナーの人は、自ら広報能力をもつのは難しい。

だからこそ、人脈が大切なんだ。

僕はESMOD PARIS校長のクリスティーヌと一緒に’カサボ’という展示会の仕事をしていたんだ。

クリスティーヌはすごく優しいし、すごく賢いね。素直なんだよ。

彼女の人脈、カリスマ性は群を抜いてる。

彼女とは一緒に悩んだり、相談できる関係なんですよ。

TOPにたつ人が広報的な役割をするのは学校の強みですね。

 

 

Q.パリは経済的にも元気なのですか?

不元気ですよ。でも不思議と人は元気なんですよね。

ESMOD PARIS,もとても元気ですよ。不景気だけど、ファッションが認知されている。

だからこそ、志す人はたくさんいてる。

 

 

Q.日本のファッション業界をフランスから見ていてどう思いますか。

まず、日本のあらゆる業界の人がサポートしないと今の時代はデザイナーが育たない。

「商品がいいから、デザインが魅力的だから」だけでは通用しない時代。

今の時代はいいものはいっぱいある。その中でどうアピールするかが必ず必要になってくる。

例えば、デザイナー兼社長をしている人がいるけどデザイナーである自分と

社長でいる自分のバランスをとるのはとても難しい。デザイナーは自分の作品を自信をもって発信するからこそ、

周りが見えなくなることもしばしばある。第三者の意見も必ず必要ですよね。

ヤマモトヨウジさんなどはそうやって、やってこれたかもしれない。

でもそれは時代背景が全く違うんだよね。今の時代に合う方法で勝負しないといけないんだけれど、

それがあまり認知されないのが日本の改善するべき課題じゃないかな。

 

 

Qファッションを志す方に向けて何か一言お願いします。

学生のときは好き勝手するほうがいい。

いっぱい、いっぱい作品に自分を詰め込んで、クリエイションを最大限に拡張させる。

社会にでてから求められるものとの擦り合わせが必要となってくるんじゃないかな。

学生の間はもっともっと自由でいいんだよ。

社会にでれば自然と勉強しないといけないからね。

 

−−−−−

 

 

 

 

「ひとつのコップがある。それは真正面から見たとき長方形だけど真上から見たときはまんまるだよね。

同じものでも「視点」を変えるだけで見え方は大きく変わってくる。自由に目線を変えることができる。」

 

 

という言葉がとても印象的でした。

洋服をデザインする時もたくさんの視点と知識をもっていれば、身近にアイデアは転がっているのだと思います。

様々な情報に耳を傾け、目をこらし、考える。

どこかで得た情報と今みているものが合わさって新しいアイデアが生まれると思います。

フランスと日本の違い。社会的なファッションの受け入れられ方の違い。

様々なことをお話頂いた斎藤さんにとても感謝しています^^

実はこのインタビュー、2時間半もお時間頂きました^^

とっても楽しくてあっという間でした。全て文章にして皆さんにお伝えしたいのですが、

あまり長いと読むのが大変だと思ったのでまとめさせて頂きました*

もっと斎藤さんのことを知りたい!と思った方…..斎藤さんの出版している本があるので是非ご覧下さい^^

 

【心を伝える仕事術】


 

 

 

ご協力頂いた、斎藤さん 本当にありがとうございました^^

 

 

 

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