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GRADUATE - 卒業生のご紹介
鈴木 淳哉×長見 佳祐

chloma×hatra

Suzuki & Nagami Special DIALOGUE鈴木 淳哉×長見 佳祐

■鈴木淳哉
1984年、神奈川県生まれ。デザイナー。
エスモード 東京校総合学科スティリズム専攻科を経て、2008年、パリ・オートクチュール組合学校(Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)に留学。
佐久間麗子(2009年、エスモード 東京校総合学科モデリズム専攻科卒業)と共に、2010年、モニターの中の世界とリアルの世界を境なく生きる現代人のための環境と衣服を提案するブランド、chloma(クロマ)を設立する。

■長見佳祐
1987年、広島県生まれ。デザイナー。
2005年、エスモード 東京校留学科入学。2006年、エスモード パリ校に留学し、2009年、同校マスターコース主席卒業。
2008年、Festival de Dinard de jeune createur de la modeグランプリを受賞する。帰国後の2010 年、渋谷SISTERでの卒業コレクション取り扱いをきっかけにhatra(ハトラ)をスタート。
「居心地の良い服」を主題に、ネットを通して生まれてきた新しい環境に適した服作りを考えている。

お二人の出会いはパリ留学時代だそうですね。
長見(以下N) 僕は淳哉さんより2年ほど先に、エスモードパリ校に留学しました。淳哉さんは神戸ファッションコンテスト特賞の副賞で、サンディカ(パリのオートクチュール組合が運営する学校)に行かれたんですよね。

鈴木(以下S) エスモード 東京校の2年生の時点でパリに行きました。
留学先の学校は違うのですが、共通の友人から、面白い作品を作る学生同士で会ってみたら、と紹介されたんです。

N 当時は「学生」というブランドがあった時代でしたね。プロのコレクションを見るより学生の作品の方が新しいものが見つかるのでは、という。才能発掘というよりは価値観の発掘です。学生のうちから注目を浴びたクリストファーケインや、ITS(ヨーロッパ最大のファッションコンテスト)出身のデザイナーが活躍し名を馳せたりと、学生に焦点が当てられていたように感じました。

S 佳祐と会ったときに、他の人と違うなにかを感じました。作品を作るときに、世界の大きな流れからはみ出して考えることができる人だなと。 人としての第一印象はちょっと生意気なやつ、でしたが(笑)、クリエイターとしての印象は一筋縄じゃいかない。 最近のハトラの作品も、理解できない部分が少しだけあって、それが彼が活躍している理由なのではないでしょうか。時代に対して確信を持って半歩はみ出そうとする力を感じます。

N 淳哉さんの第一印象は、カリスマ感。『DAZED JAPAN』の表紙を飾ったり、時代を巻き込んでる感じがあった。 人がどんどん吸い寄せられていく様子を見て、なるほどこうやってデザイナーは生まれるんだな、と思った覚えがあります。
お互いのクリエイションの同時代性を意識しますか。
S 好きなものはすごく似ています。TVとかアニメとかゲームとか、生まれてからいままで摂取してきたメディアがとても近いから。
僕も佳祐もそうですが、自分が好きなメディアで培った美意識で洋服を作っている。ブランドとしてもそういうバックグラウンドをアピールしているので、同時代性があるように見られるのかもしれません。 ただ、同じ時代に生きているというより、同じ時代に向けて作っているという方が大きいかな。

N そっちが近いですね。世界基準の美しさに対して、自分たちを育んできたコンテンツをタグ付けして説明している。 それを僕たち特有の美意識というつもりはなくて、世界に再翻訳可能だと思っているからやっているわけですが、必ずしもある世代にのみ向けて発表しているわけではないですよね。

S ブランドとしてのポジションとか、狙っている位置が近い部分はある。 そこに自分たちのクリエイティビティをどう入れていくか、どういう言葉で語っていくかという、時代に対するアプローチの仕方は近いと思います。 同時代性ということだと、似てない面の方が多いですね。
ファッションの世界でやっていくときに出発点となった問題意識はなんでしたか。
S アニメやSF、インターネットの世界をクリエイションに生かして、人に説明するときにそういう言葉を使っていこうと思ったのは、エスモードの2年生で、ガンダムをテーマに服を作ったときです。 そのころはいまほどアニメカルチャーがファッションと近くなかったし、僕も自分自身のことがよくわかっていなかった。 ファッションを理由にファッションを作るとはみ出せない、という思いがあって、ファッションの外からテーマを持ってくる必要があった。 そこで自分が好きだったものを考えると、小学校では凄くアニメオタクで、キャラクターやその形状が病的に好きだった。 じゃあそういうものを参考にクリエイションをしていこうと。それがきっかけでした。自分自身の色のある作品が初めてできて、それから継続的なテーマにしています。

N 僕はいわゆるパリコレの作法というものに信仰に近い憧れがあって、無意識にそのルールに沿った服作りをして、コンペにも出していたのですが、あるラインより上には届かなかった。 偽りのバックグラウンドで勝負しても限界があるとひしひしと感じたのが、帰国のタイミングと重なった。それはTwitterやTumblrが隆盛して、世界の見え方が大きく変わってきた時期でもあったんです。 海外の生活のなかでTwitterは新鮮な日本語の情報が多く、その中から強烈なインパクトを持ってカオスラウンジ(現代アート集団)が浮かび上がってきた。 当時の「肩パッドをいかに面白く扱うか」みたいな話に較べて、彼らの突き抜け方はなんだ、と光明がさ思いでした。 同時に、自分たちを囲うルールの狭さはどういうことだろう、という疑問も。

S そこは僕も同じ感覚を持っていました。自分のデザインのために、ファッションとは別の分野のテーマを使いましたが、それはやはりファッションの領域のための発信で、ファッションのルールしか知らなかった。 でも、Twitterなどの登場によって、世の中にはもっと広い視野でクリエイションしている人たちがいるということがわかった。 モノ作りにおいて、そこから二人とも影響を受けていると思います。
ファッション業界を目指す人たちにアドバイスをいただけますか。
S 学校に入る前に、自分の体で可能な限りファッションを楽しんでおくこと。 いまは街に出なくても、ネットなどでファッションの情報を収集しやすくなりましたが、自分の体を使って体験できるのは入学前しかないと思います。 それを礎(いしずえ)に服を考えたり作ることになりますから、経験値のあるなしで、けっこう差は大きい。

N 入学後は、何十人かのクラスの中でドシエ(PRブック)作り、服作りを重ねます。 その小さな世界でついつい隣の人との違いを考えてしまいがちだし、そういうふうに教える先生もいるかもしれない。 「隣の誰かとは違う自分」が必ずあるはずだから掘り起こすようにと。僕はそこから生産的なものはあまり生まれないと思うんです。 自分の中に唯一のなにかがあると思いすぎないようにしてほしい。 それよりも、生まれの違う隣の人との間に共通していること、30人いたらその中でなにが共通しているのかを見いだすこと、その「視点」こそ個性と呼ばれるべきで、ぜひ実践してほしいと思います。
ファッションの未来予測をお願いします。
S ファッションは、前より面白くなってきていると思います。 ファッションでできることが洋服以外でもすごく広がったから。 洋服の役割が失われて、もしかしたらアパレル業界としてはよくない状況なのかもしれない。でもファッション全体として領域は広がったと捉えていて、そういう意味でいまの時代はわりと好きです。 個人的に、アニメや画像が人の体に重なるイメージがすごく好きなので、ARファッション、あるいはダウンロード・ファッションが可能な時代がくるのではと期待しています。 音楽が0円に近づいたように、洋服もそういう時代がきたら面白いし、そうなったときに自分はどうすべきかのシミュレーションもしています。

N 生産ロットに対する信頼性が大きな比重をもってくるのではないかと思います。たとえば10万枚作られている、ということが品質の証として一般レベルで捉えられ、ブランディングに直結する。 ファッションの醍醐味が削ぎ落とされたような衣料品が成功するのは、淳哉さんが言うように「服の外側で空気やパーソナリティをまとうことができる」からだと思います。 そこに価値を置く層が少なからず増えてきている。消極的な話に聞こえるかもしれませんが、ファッションの扱いが変わるおもしろい時期だと思う。その先を提案したい。

S インターネットを通して、脳内でいろいろなファッション体験ができる時代になった。 じゃあ実際に着る服はふつうでいいかというと、僕は違うと思う。0円でさまざまな情報を見て、擬似的にファッションを楽しめるわけですが、 画像として見てきたファッションを自分の体にダウンロードしたいという願望も絶対にある。 すごい速度で流れていってしまう無限の情報があるからこそ、お金を出して自分の体に固定したいという願望も出てくると思うので、そこに対して服を作っていきたいという気持ちがあります。

N 生身の装いを重視しない価値観が多くを占めていく一方で、ネット上でのファッション性やパーソナリティが定着してしまい、 自分の体を逆にアバターとして扱う人たちが出てきはじめているのかも。 自分の人格とか社会性はネット上で担保されているから、その分オフラインで(リアルで)自分を着せ替え人形のように楽しめる、というのはあるんじゃないでしょうか。

S 今までのファッションの機能は、自分が社会的にどういうポジションに立っていて、何者なのかを示すものだったけど、その機能がインターネットに置き換えられたためにスカスカになったと。

N ええ。でも、むしろ新たに見いだされた領域として、そこにもファッションの可能性はある。 90年代以降、身の回りの多くがデータ化されていく中で、ファッションがどこまでいってもモノであることをなんとなく悲観していました。 いまではウエアラブル端末や3Dプリント・ファブリックなど、フロンティアとしての側面と、アナログメディアならではの特性、両方から魅力を感じています。
ファッション教育への提言をお願いします。
S 体系的にデザインを教える人が現れてほしい。
一着の服ができるまでの思考のプロセスをすべて言語化して教えられるような。

N Tumblrを必須科目に。
あれほど簡単に自分の美意識を掘り下げてくれるツールはないと思うので、ぜひ積極的な活用を検討してほしいです。

S 僕も必須だと思います。
ちなみにこの中でTumblrをやっている人?[学生の半数が手を上げる]素晴らしい(笑)。
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